施設の封鎖は最小限に抑え、死体を鑑識が運び出し、周囲の住宅への関心を引かないように作業をひっそり執り行う。遺体を乗せた鑑識のバンを見送り、出入り口を封鎖。警官は立たせずに熊田たちO署の刑事は、施設管理に雇われる弁護士佐山明から聞きだした死体の自宅住所に向かった。住まいは現場から程近い場所であり、車は施設に止めて、真昼の空の下、徒歩で数分の時間を要し、たどり着いた。現場に向かう途中に見えた赤い外壁のマンションが目的の場所であった。種田がマンションの管理人から鍵を借りて、三名の刑事は最上階にエレベータで昇り、三つの扉の真ん中に教えられた部屋番号を見つけた。一階ロビーの郵便受けは番号、部屋にも個人名…