セーブポイントがほしい人生だった 人生に「セーブ」があったなら、どれだけ救われていただろう。 例えば、あの日の夜。もう少し冷静になって、言いすぎた言葉を引っ込めることができていたら。あの電話に出ていれば、あるいは出なければ。あの誘いを断らず、あるいは断っていたなら。たったひとつの選択で、取り返しのつかないことになる。それはゲームの中だけの話だと、昔は思っていた。けれど、現実の方がよほどシビアだ。こちらには「やり直し」がない。 セーブがあるからこそ、進める勇気が出る ゲームの中では、主人公が「今」を保存してくれる。強敵の前には必ずセーブポイントがあって、そこまで戻れば何度でも再挑戦できる。装備を…